2011年05月07日

◆ 高木仁三郎の論文

 高木仁三郎「核施設と非常事態―地震対策の検証を中心に―」(1995年)という論文が話題になっているという。その紹介。 ──
 
 まずは、ニュースから。
 《 「想定外」、16年前に警告 福島第1で故高木さん論文 》
 2000年に死去した「原子力資料情報室」元代表の高木仁三郎さんが阪神大震災後に発表した論文がネット上で話題となっている。政府や電力会社の決まり文句となっている「想定外」という姿勢に当時から警鐘を鳴らし、福島第1原発の危険性を指摘する“予言”のような内容。関係者は「今こそ読まれるべきだ」と話している。
 大地震が直撃した際に「想像を絶する」事態となる核施設集中立地点として「福島県浜通り」を、廃炉への具体的議論が必要な「一番気になる老朽化原発」に福島第1原発を挙げている。
( → 共闘通信

 論文は入手できる。下記。
  → http://ci.nii.ac.jp/naid/110002066513
 ここから、PDF を入手できる。短い論文だ。(画像形式。)
 

 一部を抜粋すると、次の通り。
 原発の耐震設計では、上下方向の地震動(縦振動)を水平方向の地震動の2分の1までしか考慮していないが、これも阪神大震災の経験から見直しが要請される点だ。とくにこの点は、高速増殖炉「もんじゅ」の耐震設計との関連で懸念される。

 老朽化原発が大きな地震に襲われると、いわゆる共通要因故障(一つの要因で多くの岸城が共倒れする事故)に発展し、冷却材喪失事故などに発展していく可能性は十分ある。

 一般に、震度5程度の揺れでは自動停止しないよう、運転条件が設定されている。……(××という地震時では)これは振動をキャッチしての停止ではなく、中性子束が異常に上昇したことによるものだった。……原子炉が停止したからよいといってはいられない。もし制御棒がうまく挿入されないような事態が重なれば、暴走事故にもなりかねないのである。

 仮に、原子炉容器や一時冷却剤の主配管を直撃するような破損が生じなくても、給水配管の破断と緊急炉心冷却系破壊、非常用ディーゼル発電機の起動失敗といった故障が重なれば、メルトダウンから大量の放射能放出に至るだろう。もっと穏やかな、小さな破断口からの冷却材喪失という事態でも、地震によって長期間 外部との連絡や外部からの電力や水の供給が絶たれた場合には、大事故に発展しよう。


 老朽化が非常に重要な問題だとわかる。

 ──

 高木仁三郎の著作は、岩波新書からも入手できる。

         

  
原発事故はなぜくりかえすのか  市民科学者として生きる


 


 【 関連項目 】
 
   → 浜岡原発は停止へ(菅直人)
   → 浜岡原発の危険性
   → 原発再開の条件
   → 他の危険な原発
   ( ※ 老朽化が重要な問題だと示している。)



 【 関連サイト 】
 浜岡原発停止については、アゴラでも論じられている。

   → http://agora-web.jp/archives/1322783.html


posted by 管理人 at 17:10| 書評 | 更新情報をチェックする
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