2010年10月04日

◆ ダンテ・神曲(ドレ)

 ダンテの「神曲」という古典は、誰もが聞いたことがあるだろうが、読んだ人は少ないだろう。しかし、知られざる名著がある。ドレという画家の挿画付き。 ──
 
 人類の文学の最高峰と言うと、通常、次の三人だ。
  ・ ダンテ
  ・ シェークスピア
  ・ ゲーテ


 この三人は、まぎれもなく天才である。天才のきらめきというものがある。音楽で言うと、ベートーベンとモーツァルトが傑出しているのと同様だ。他人は真似もできない。

 ただ、シェークスピアとゲーテなら、優れた翻訳が出ているので、読んだ人も多いだろうが、ダンテの「神曲」は、下手な訳ばかりが普及していた。

 ただし一つ、抄訳ではあるが、原文以上に感動的な翻訳があった。原文はダラダラしているのだが、うまくきらめきの部分だけを拾い上げて、訳したもの。谷口 江里也・訳。
 しかし残念なことに、それは 5000円ぐらいする大型の豪華本だったので、たいていの人は買えなかった。図書館で読むぐらいだ。(私は図書館で読んだ。すこぶる感動した。)

 ところが昨年、この豪華本の普及本が発刊された。 下記の左のものがそうだ。(右側は豪華本。絶版。)

     
 
 ( ※ 左のリンク先では、内容の一部を立ち読みできる。)

 やたらと絵が多くて、文字は少ないのだが、その分、一般の人にも読みやすくて、お勧めできる。文字が多すぎて頭が痛くなる、というようなことはない。「超高級な漫画」というつもりで読んでもいい。
 イメージ的に言えば、手塚治虫の「火の鳥」を、文章でも絵でも数ランクアップした、という感じだ。
 人類の長い歴史で、「神曲」に匹敵するものは存在しない。しいて言えば、似ているものとして「失楽園」があるが、あちらも相当の大作だ。(ただし「失楽園」の方は、天才のきらめきがない。「火の鳥」に対する「どろろ」みたいなものか。)

 ともあれ、これほどの傑作には、人生で何度もお目にかかることはない。読んだことがない人は、ぜひ読むことをお勧めする。人生の宝とすることができるだろう。

( ※ ついでだが、本ブログの[書評ブログ]の背景には、空を飛ぶ白い鳥のイメージがある。それは大空を飛翔するイメージだ。それに似た感じが、ダンテの「神曲」にもある。)



 [ 付記 ]
 余談だが、「神曲」の全文を翻訳した書籍は、いろいろとある。ネット上でも、無償公開された翻訳がある。しかし、全文だと、文章がダラダラと長く続いているので、とても読み切れるものではない。初めの数ページで、ギブアップするだろう。  (^^);
 
 その点、本項で紹介した書籍は、「おいしいところだけをつまみ食い」という形で、原作以上に優れた作品になっているとも言える。また、翻訳が実に素晴らしい。
 訳者の労を称えたい。
( ※ それにしても、あんまり話題になっていないのが、不思議だ。)


posted by 管理人 at 22:35| 書評 | 更新情報をチェックする
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