アナログ放送では、来年7月のアナログ停波の前に、今年7月ごろから、上下に黒い帯が出るようになる。しかし3チャンネルでは、4月1日からすでに同様のことがなされている。
さらに来年4月からは、画面内容の判別が不可能な(文字でマスクされた)放送になるらしい。
→ 池田信夫ブログ
池田信夫は頭に来て、こう述べる。
わが家のテレビは11年間、一度も故障してないが、テレビはほとんど見ないので、全面いやがらせ放送が始まったら粗大ゴミに出すつもりだ。全国にある1億 3000万台のテレビのうち、デジタル化されたのは7年間で7000万台。あと1年で8000万台に増えるとしても、残る5000万台がゴミになり、廃棄物処理場はパンクするだろう。あはは。 (^^);
しかし、怒ってカッカとしない方がいい。ちゃんと対応する方法はある。5000円ぐらいの「地デジチューナー」を買えばいいのだ。
これは、5000円ぐらいという低価格である分、性能は貧弱であり、画質はアナログテレビの画質にしかならない。要するに、最新の大画面の液晶テレビみたいに高い解像度(縦 1080)はなく、低い解像度(縦 500 ぐらい)しかない。
とはいえ、アナログテレビというのは、もともとそういうものなのだから、低い解像度で十分だ。(逆に、縦 1080 の解像度をもつ 2万円クラスの地デジチューナーは、性能が過剰すぎる。チューナーの解像度が縦 1080 であっても、肝心のアナログテレビの方が、縦 500 ぐらいの解像度しかないのだから、チューナーの性能は宝の持ち腐れになる。)
結論。
アナログ放送が停止になったら、既存のアナログテレビを捨てる必要はない。「地デジチューナー」を買えばいい。確かに、上下に黒い帯が入るので、見やすくはない。しかし、何も映らなくなるわけではない。5000円分ぐらいの価値はある。だから、焦ってアナログテレビを捨てる必要はない。
[ 余談 ]
池田信夫は、「テレビはほとんど見ない」と述べているが、私も同様だ。
だとすれば、上下に黒い帯が入るぐらい、別に、困ることはない。どうせろくに見ないのだから、テレビの状態なんか、どうでもいい。上下に黒い帯が入ることぐらい、許容できる。
具体的に「地デジチューナー」を紹介しよう。下記の二つだ。
※ Amazon で激安だ。参考のため、ヤマダ電機でも調べたが、ずっと高い。
──
ただし、地デジチューナーを買えば済むわけではない。地デジ用のアンテナも必要だ。アンテナの向きを調整する必要もあるだろう。
東京スカイツリーができないと電波を受信できない、という地域もありそうだ。ただし、東京スカイツリーが完成するのは 2012年になってからだから、アナログ停波が 2011年7月(または4月)のあと、しばらくブランクがある。その間は、何も受信できない地域もかなりありそうだ。
ちょっと調べたら、その具体例も見つかった。
→ 地デジを受信できない地域
自分で鉄塔を建てるしかないらしい。共同アンテナの設置費用は 600万円。自腹で払うしかないという。
( ※ ケーブルテレビに加入できれば、ケーブルテレビ経由という手もあるが。)
[ 余談 ]
地デジ推進やアナログ停波の問題は、池田信夫がさんざん論じているので、私としてはあまり言及しない。テレビなんて、もともとろくに見ないから、あまり気にしない。どうだっていいや。
[ 付記 ]
実は、地デジで問題なのは、テレビよりも、レコーダー(録画機)だ。
・ VHS で録画することはできるが、画質がひどい。
・ DVD で録画することはできるが、機器同士ので互換性がない。
(録画した機種でのみ再生ができる。他機種では駄目。)
・ ブルーレイディスクで録画するなら問題はないが、すごく高額。
そもそも、地デジチューナーの付いた DVD レコーダーは、価格が3万円以上だ。それでいて、機種同士の互換性がないから、他機種では再生できない。もちろん、パソコンで再生することも不可能。
ブルーレイディスクが安くなるまで待つにしても、いつになることやら。PS3 が出てから数年たつのに、まだまだ高い。
また、HDD レコーダーでタイムシフトしようとしても、地デジチューナーつきだと価格は 28000 円以上だから、DVD よりもコストパフォーマンスが悪い。HDD レコーダーは、選択肢に入らない。
結論としては、地デジ時代には、まともに録画はできないと思った方がいい。強いて選ぶなら、地デジチューナーの付いた DVD レコーダー。
コスト的に一番現実的なのは、VHS で録画・再生することだ。画質はひどいが、新たに払うお金はないのだから、損はしない。古い VHS を無駄にしないで使える。
つまり、アナログテレビの使い方でなく、アナログ VHS の使い方、……という話になる。