2010年02月15日

◆ ディック・フランシスの小説

 ディック・フランシスの小説はすばらしい。私の最も好きな作家だ。(ミステリ分野では。) そこで、ざっと紹介しよう。 ──
  ( ※ ディック・フランシスが逝去した。2010-02-14 。そこで、本項に加筆して、書き改めた。)

 
 ディック・フランシスの小説は、テーマ別では「競馬ミステリ」に分類されるが、競馬の知識は一切必要ない。たまたま競馬場が場所になる、というだけのことだ。
 競馬ミステリにする理由は、たぶん、血なまぐさい犯罪現場にしたくないせいだろう。馬を殺すのならば、人を殺すよりも、生々しさが消える。その点、上品になる。アガサ・クリスティーのミステリが上品なのと同じ。(イギリス的ですね。アメリカの推理小説は、血なまぐさいのが多すぎる。)

 しかしまあ、テーマや設定はどうでもいい。何より、文章が素晴らしい。再読、三読に耐える。これほどのミステリ作家はめったにいない。
 また、ミステリのタイプとしては、推理小説ではなく、サスペンス小説だが、主人公がとてもカッコいいのが楽しい。男の中の男、という感じですね。マッチョではなくて、禁欲的な紳士なのがいい。頭のいい読者向けのミステリというのは、とても少ない。その意味でも、私好みだ。

 というわけで、まだ読んでない人には、「ぜひ読むといい」とお勧めしておきます。

 ※ なお、私はやみくもにミステリを薦めるつもりはない。お勧めできるのは、ディック・フランシスだけだ。私自身は、ディック・フランシスの小説は、ほぼ全部読んだ。これほど傾倒しているミステリ作家は、他にいない。外国人作家では。

 ※ このような評価は別に、私に限ったことではない。池上冬樹という文芸評論家は、次のように述べている。
 「現存する作家の最高のシリーズは何か? ときかれたら、僕はすぐさまディック・フランシスの競馬シリーズをあげる。心を揺さぶるヒーロー像、新鮮な舞台、巧緻なプロット、強烈なサスペンス、皮肉なユーモア、苦い現実認識」( → 出典

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 どれを読むといいかというと、初期のものから順に読んでいけば問題なし。)

 とりあえず一品だけを選ぶなら、初期の代表作の一つである下記作品をお薦めする。非常にレベルが高いだけででなく、取っつきやすい。苦みが少なく、明るさや楽しさが多い。読む喜びを味わえる。
  → 興奮 (ディック・フランシス)

 私の好みで言えば、次の二つも素晴らしい。
  → 骨折 , 飛越

 これら以外は、Amazon の「お勧め度順」から見つければいいだろう。
  → ディック・フランシス 一覧(お勧め度順)

 ただし、上のページでは、どれもが星5つである。決められないようだ。  (^^);
 ま、読者としては、星4つ半以上のものから、お好みのストーリーから選べばいいだろう。Amazon にストーリーの要旨が記してある。



  ( ※ 以下は 2010-01-29 の記述。)


 ディック・フランシスの小説では、主人公は毎回変わるのだが、(たぶん)一つだけ、シリーズものがある。義手をつけた探偵(シッド・ハレー)のシリーズ。傑作ぞろいだ。
 初期のものから順に、「大穴」→「利腕」→「敵手」→「再起」となる。この順で読むといいだろう。(上記4冊のうち、最後の一冊以外は、どれも傑作。)

 なお、1番目の「大穴」を除くと、作品中では、義手についての説明もなされる。英国では義手がどんなものであるかを知ることができて、興味深い。何しろ日本では義手(筋電義手)はまともに利用されていないからだ。この件は、下記で述べた。
  → Open ブログ 「筋電義手」

 


 《 Amazon への リンク 》


  → 大穴
  → 利腕
  → 敵手
  → 再起

 ──

 さまざまな作品のリストは

  → ディック・フランシス 一覧(お勧め度順)

 新刊の分は

  → ディック・フランシス 新刊 (単行本)


posted by 管理人 at 19:32| 書評 | 更新情報をチェックする
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